海蔵院(読み)かいぞういん

日本歴史地名大系 「海蔵院」の解説

海蔵院
かいぞういん

[現在地名]野田村野田

城内じようないにある。無量山と号し、曹洞宗で、本尊釈迦如来。「邦内郷村志」に「宮古瑞雲寺末寺、寺領二十石野田左近寄附、此家代々之菩提所也」とある。平重盛が黄金三千両を宋国育王山に贈る「平家物語」の話と関連させて、文治二年(一一八六)育王山霊隠寺の僧珊光国師が来朝の途中難風に遭い「大唐の倉」(長根崎)漂着重盛死去の知らせを聞いて供養のため重盛の別称小松内府の名をとって臨済宗小松寺を建立したのが始まりと伝える。文化三年(一八〇六)一〇世実仙の書いた海蔵院由来記によれば、寛永元年(一六二四)野田則武が瑞雲ずいうん寺六世本室寿宗を開山として迎え、自らは開基となって再興、茶湯料二〇石を寄進したと伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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