日本大百科全書(ニッポニカ) 「海豊」の意味・わかりやすい解説
海豊
かいほう / ハイフォン
中国南部、広東(カントン)省南東部の南シナ海に面する汕尾(さんび)市の県。県政府所在地は海城(かいじょう)鎮。人口76万7101(2010)。1923~1925年に彭湃(ほうはい)の指導のもとに東隣の陸豊(りくほう)県(現、陸豊市)とともに農民運動が起こり、1927年には海陸豊ソビエトを樹立した歴史をもっている。海城鎮には海豊紅宮(赤の広場)とよばれるソビエト政権の跡地がある。東南アジア、香港(ホンコン)特別行政区に多くの華僑(かきょう)を送り出している(50万人超に及ぶ)。米、サツマイモ、ラッカセイ、ジュート、コショウの栽培が盛んであり、沿岸部では干拓が行われ、製塩と漁業も営まれる。また、汕尾はもとは本県の漁港で、釣り針の生産が盛んであり、輸出している。
[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年1月19日]