深山八幡社(読み)ふかやまはちまんしや

日本歴史地名大系 「深山八幡社」の解説

深山八幡社
ふかやまはちまんしや

[現在地名]朝地町市万田 和田

平井ひらい川南岸の丘陵裾にある。祭神は月弓尊・景行天皇・応神天皇・神功皇后。旧郷社。「豊後国志」によれば上津あげつ神社・浅草あさくさ神社(現大野町)の二社と併せて大野郷三宗祠といわれ、神亀年間(七二四―七二九)創建とも、天正年間(一五七三―九二)の開創ともいうが不詳。建久二年(一一九一)三月一一日の日付をもつ神領坪付境注文案および神領田畠坪付境注文案(上津八幡社文書)には、大野庄鎮守として深山八幡がみえている。両注文案には神領として大野庄なか村内田口名、かみ村内一万田いちまんだ田村たむら名、袴田はかまだ名内などの田畠があげられ、惣境や神畠示などが定められている。ただし両注文案とも検討の余地がある。建武元年(一三三四)深山八幡宮祝政信の訴えにより、往古神領である宮原畠地四段・切木きりぎ麦地一段・荒野二段六〇歩が「建久置文」に任せて円通寺から深山八幡宮に寄進され(同年七月一〇日「円通寺侍者某田畠等寄進状」深山八幡社文書)、同五年九月一三日には筑後国および肥前国神崎かんざき庄内田地各一反が志賀氏一族と思われる源頼治から寄進された(「源頼治寄進状」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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