精選版 日本国語大辞典 「深紫」の意味・読み・例文・類語 ふか‐むらさき【深紫】 〘 名詞 〙① 濃い紫色。[初出の実例]「諸王礼服 一位。礼服冠。〈五位以上。毎二位及階一。各有二別制一。諸臣准レ此〉深紫衣」(出典:令義解(718)衣服)② 「ふかむらさき(深紫)の袍」の略。[初出の実例]「浄位より已上は並に朱華(はねす)を著(き)る。〈朱華此をば波泥孺と云ふ〉正位は深紫(フカムラサキ)」(出典:日本書紀(720)天武一四年七月(寛文版訓)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
色名がわかる辞典 「深紫」の解説 こきむらさき【深紫】 色名の一つ。黒紫とも書き、濃色こきいろともいう。やや暗く濃い紫色のこと。603年(推古11)に制定された冠位十二階による冠の色で最高位に相当する。臣下が対象であって、天皇や皇太子ではないが、これ以降「紫」という色は特別な意味をもつようになる。深紫は高価な紫根しこんによって染色し、濃くなるほど染める回数が増え、多くの紫根を用いたため極めて贅ぜいをつくした色である。また、貴族の未婚女性が身につける袴はかまの色でもあった。このことから、明治時代に女子学生用の袴をつくったとき、高貴な色である紫をさけ、海老茶を用いた。 出典 講談社色名がわかる辞典について 情報