正位(読み)ショウイ

デジタル大辞泉 「正位」の意味・読み・例文・類語

しょう‐い〔シヤウヰ〕【正位】

位階で、同一等級を二つに分けたうち上位のもの。従位の上の位。⇔従位
悟りによって確立した位。仏教用語であるが、歌論能楽論などにも用いられる。

せい‐い〔‐ヰ〕【正位】

正しい地位。正しい位置。
内位」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「正位」の意味・読み・例文・類語

しょう‐いシャウヰ【正位】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 天武天皇一四年(六八五)に制定された位階のうち、諸臣の最高のもの。
    1. [初出の実例]「正位四階、直位四階、勤位四階、務位四階、追位四階、進位四階、毎階有大広」(出典日本書紀(720)天武一四年正月)
  3. 令制で定められた位階で同一等級の上位のもの。従位の上にある位。正一位から正八位まで。
  4. 仏語。悟りによって確立した位。転じて、歌論、能楽論などにもいった。
    1. [初出の実例]「若得五神通時、必不自度、不正位、不一切」(出典:願文(785))
    2. 「主に或る物は心なり。又正位也」(出典:花鏡(1424)上手之知感事)
    3. [その他の文献]〔維摩経‐上〕

せい‐い‥ヰ【正位】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 正しい位。ただしい位置。
    1. [初出の実例]「社会の好尚の標準を当然の道理に拠りて正位に安んぜしむるの必要と」(出典:一国の首都(1899)〈幸田露伴〉)
    2. [その他の文献]〔孟子‐滕文公〕
  3. 普通の位階。内位。
    1. [初出の実例]「凡贈位及外位、与正位同」(出典:律(718)名例)
  4. しょうい(正位)

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