添臥・副臥(読み)そいぶし

精選版 日本国語大辞典 「添臥・副臥」の意味・読み・例文・類語

そい‐ぶし そひ‥【添臥・副臥】

〘名〙
そばに寄りそって寝ること。そいね。そえぶし
源氏(1001‐14頃)紅葉賀「殿の内の人々も、あやしと思ひけれど、いとかう世づかぬ御そひふしならむとは思はざりけり」
浮世草子・男色大鑑(1687)三「かりなる横陳(ソヒフシ)して細(こまか)次第はかたらず」
東宮、また皇子などの元服の夜、公卿などの少女を傍に添寝させたこと。また、その少女。
※源氏(1001‐14頃)桐壺「さらば、この折の後見なかめるを、そひふしにもと催させ給ひければ、さおぼしたり」
※栄花(1028‐92頃)様々のよろこび「おほとのの御むすめ、〈略〉、内侍のかみになし奉り給ひて、やがて御そひぶしにとおぼし掟てさせ給ひて」

そい‐ふ・す そひ‥【添臥・副臥】

〘自サ四〙
① 人のそばに寄りそって、ともに寝る。そいねする。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「ふせたてまつりて、大将やがてそひふし給ひぬ」
※源氏(1001‐14頃)夕顔「身のうへも知られ給はず、そひふして、ややとおどろかし給へど」
脇息など、物に寄りかかって、からだを横にする。また、物に寄ってうつむく。からだをもたせかける。
落窪(10C後)一「そひふしたる人あり」
※源氏(1001‐14頃)橋姫「そひふしたる人は、琴の上に、かたぶきかかりて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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