清庭(読み)さにわ

精選版 日本国語大辞典 「清庭」の意味・読み・例文・類語

さ‐にわ‥には【清庭・斎場・沙庭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (い)み清めた場所。神を請じおろして、その託宣を聞く所。
    1. [初出の実例]「天皇御琴を控かして、建内宿禰大臣沙庭(サには)に居て、神の命を請ひき」(出典古事記(712)中)
  3. に伺候して神託のことをつかさどる者。神の託宣を聞き、それを人々に伝える者。
    1. [初出の実例]「中臣烏賊津使主を喚(め)して審神者(サニハ)と為」(出典:日本書紀(720)神功摂政前(北野本南北朝期訓))
  4. 後世神楽(かぐら)和琴を弾く人。
    1. [初出の実例]「但今以弾琴之者佐爾波(サニハ)止云、偏以供奉神遊、漸訛以終弾琴所搆也」(出典:政事要略(1002頃)二八)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「清庭」の意味・わかりやすい解説

清庭
さにわ

斎(い)み清めた場所で、神霊を招き降ろして、その託宣を聞く所。「さやにわ」(清場)の約といわれる。転じて、清庭にあって神託のことをつかさどる者や、神の託宣を聞き、それを人々に伝える者(霊媒者憑人(よりまし))の称となった。後世には、神楽(かぐら)で琴を弾く人もこの名でよぶようになったが、これは、元来、神霊を呼び寄せる際、琴を奏したことに由来している。

[宇田敏彦]

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