平安時代の政務,法制に関する書。平安中期の代表的明法学者惟宗允亮(これむねのただすけ)の撰。1002年(長保4)ころ成る。もと130巻であったが,今日残るのはわずかに25巻。年中行事,公務要事,交替雑事,糺弾雑事,至要雑事,国郡雑事,臨時雑事の7部で編成されていたらしいが,公務要事,国郡雑事,臨時雑事に該当する巻は現存しない。政務に関するあらゆる制度を,六国史,律令格式をはじめひろく和漢の典籍を引用して解説し,さらに撰者みずからの見解や父祖・古老の談話などを付記して説明している。その引用書の種類は,現存25巻のものだけでも100を超えるが,その大半は現存しない逸書である。本書の成るについては,同時代の政治家で儀式典礼についても一流派(小野宮流)をなした藤原実資(さねすけ)の依頼によるともいわれる。古写本に前田尊経閣所蔵の金沢文庫本3巻がある。《改定史籍集覧》《新訂増補国史大系》所収。
執筆者:早川 庄八
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平安時代の法制書。もと130巻。『類聚判例(るいじゅうはんれい)』100巻の著者明法博士(みょうぼうはかせ)令宗(よしむね)(惟宗(これむね))允亮(まさすけ)が、1009年(寛弘6)ごろに完成した。政務全般に関する父祖の旧記・諸書によって、制度・事例を集めて類別したもの。現在は、年中行事、交替雑事、至要雑事の26巻を残すのみであるが、その記事は、崇神(すじん)朝から寛弘(かんこう)6年に及ぶ事例を引用し、なかでも、平安時代の事例は詳細を極める。そのため、同時代の諸制度研究の貴重な史料とされている。最古写本には、尊経閣(そんけいかく)文庫所蔵の金沢(かねさわ)文庫本があり、そのほかに、宮内庁書陵部本、内閣文庫本などがある。刊本には『改訂史籍集覧』本、『新訂増補国史大系』本などがある。
[林 幹彌]
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平安時代の法制書。もと130巻あったらしいが,25巻が現存。明法博士の惟宗允亮(これむねのただすけ)の著。1008~10年(寛弘5~7)頃の編集と考えられている。内容は官吏の執務上の便に供するため,年中行事・公務要事・交替雑事・糾弾雑事・至要雑事・国郡雑事・臨時雑事などの編目にわけて,制度事例を掲げる。律令格式(きゃくしき)など和漢の書を引用し,さらに自分の意見や先人の説などを記す。現存しない書物の逸文も多く貴重である。「国史大系」所収。
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