日本歴史地名大系 「渋江郷」の解説 渋江郷しぶえごう 埼玉県:岩槻市渋江郷岩槻市の元荒川右岸一帯に比定される中世の郷。野与党渋江氏の本貫地。江戸時代の岩槻城下に渋江町があった。渋江氏は「吾妻鏡」に散見し、戦国時代まで当地にあって活躍している。しかし地名としては、茨城県下妻市大宝(たいほう)八幡神社蔵の嘉慶元年(一三八七)銘の梵鐘に「大日本国武蔵州崎西県渋江郷金重村金鳳山□□□□(平林禅寺)」とあるのが早い例である。この梵鐘は享徳五年(康正二年、一四五六)に下総国上幸島(かみさしま)穴太の星智寺のものとなるまで平林寺にあったものである。平林寺は江戸時代前期に野火止(のびどめ)(現新座市)に移るまで渋江郷にあったことがわかる。渋江郷は鋳物師の存在でも知られる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報