渡辺与平(読み)ワタナベ ヨヘイ

20世紀日本人名事典 「渡辺与平」の解説

渡辺 与平
ワタナベ ヨヘイ

明治期の洋画家



生年
明治21(1888)年10月17日

没年
明治45(1912)年6月9日

出生地
長崎県長崎市西古町

旧姓(旧名)
宮崎

学歴〔年〕
京都市立美術工芸学校絵画科卒

経歴
14歳で単身京都に上り、京都美術工芸学校に入学、鹿子木孟郎水彩画を学ぶ。卒業後東京に上り、中村不折に入門、太平洋画会研究所洋画を学ぶ。明治41年第2回文展に「金さんと赤」が初出品で入選。翌年20歳で水彩画家・渡辺豊洲のひとり娘・文子と結婚し、渡辺姓に。その後も、白馬会、太平洋画会、文展などに入選し、将来を嘱望されたが若くして没した。明治39年から「ホトトギス」にこま絵や裏絵を描き、竹久夢二に影響を与えたといわれ、夢二と共にこま絵の名手とされた。特徴的な「ヨヘイ」のサインで知られる。43年小川未明「赤い船」の表紙画、挿画を描き、画集に「ヨヘイ画集」「コドモ」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「渡辺与平」の解説

渡辺与平 わたなべ-よへい

1888-1912 明治時代の洋画家,挿絵画家
明治21年10月17日生まれ。京都市立美術工芸学校で日本画を,のち東京の太平洋画会研究所で洋画をまなぶ。子供をえがいた挿絵で流行作家となり,竹久夢二とならび称された。明治42年画家渡辺文子と結婚。明治45年6月9日死去。25歳。長崎県出身。旧姓は宮崎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の渡辺与平の言及

【イラストレーション】より

…日本画家の小川芋銭,平福百穂,名取春仙,結城素明,川端竜子,洋画家の橋本邦助,小杉未醒(放庵),森田恒友,倉田白羊,石井柏亭らが筆をとった。また若い画学生の渡辺(宮崎)与平(1889‐1912)と竹久夢二が雁行してコマ絵を描き,甘美な抒情性で人気を集めた。 新聞小説における挿絵は,大正中期までは必ずしも同伴するものではなく,新時代が画されたのは関東大震災前後である。…

※「渡辺与平」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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