朝日日本歴史人物事典 「渡辺南岳」の解説
渡辺南岳
生年:明和4(1767)
江戸後期の画家。京都の人。名は巌,字は維石,号は南岳,通称猪三郎,小左衛門。画を円山応挙に学んだが,後年尾形光琳に私淑し,流麗な筆使いで美人や魚などを巧みに描いた。晩年江戸に出て,江戸に円山派を伝え,谷文晁,酒井抱一らと交友した。47歳で没し,京都の双林寺に葬られた。代表作に「四季草花図巻」(東京芸大蔵)や「蛙図屏風」(大和文華館蔵)などがある。弟子に大西椿年,中島来章らがいる。<参考文献>木村重圭「渡辺南岳について」(『大和文華』67号)
(河野元昭)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報