朝日日本歴史人物事典 「渡辺政香」の解説
渡辺政香
生年:安永5.7.16(1776.8.29)
江戸後期の国学者,漢学者。字は三善。順輔,普磋吉,助太夫と称した。保宝葉園,磯泊散人,臥蝶園などはその号。源姓。三河国(愛知県)幡豆郡寺津村の寺津八幡宮神官の家に生まれる。父助三郎,母りや。寛政11(1799)年,兄の死去により家を継ぎ,寺津八幡宮神官となる。幡豆郡羽角村の浜島文貞に学び,また郷里を出て京都の白川資延王,伊勢の足代弘訓について歴史と和歌を修めた。写本で伝わるその著書・編著は,神道史考証をはじめ,歴史地理,月次詩歌,紀行文など幅広い。『鴨の騒立』(写本,1冊)は,天保7(1836)年の加茂一揆に取材した記録。『三河志』(43巻,1836年序),『三河人物誌』(2巻,1839年序),『今昔三河奇談』(1840)の一連の郷土地誌は特に知られている。<参考文献>『西尾市史』3巻
(ロバート・キャンベル)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報