湯川山(読み)ゆがわやま

日本歴史地名大系 「湯川山」の解説

湯川山
ゆがわやま

岡垣町と宗像市の境にある山で、標高四七一・四メートル。古来遠賀・宗像両郡の郡境に位置したが、江戸時代は遠賀郡の所属とされた(続風土記)山名は山の北面、波津の湯川地区を流れ下って海に入る湯川にちなみ、湯川の川名は古く湯川谷で温泉が出たことに由来するという(続風土記・続風土記拾遺)。「ゆわう丸山」ともよばれ、これは「万葉集」にも詠歌が載る木綿間ゆうま山の転訛という説もある(続風土記)。「続風土記」によると、戸畑とばた(現北九州市戸畑区)猪熊いのくま(現水巻町)波津はつ(波津村)などには御牧みまき(遠賀郡の中世の呼称)の郡名由来となった馬牧の跡が残り、波津浦の牧跡は集落(湯川集落)の上手から当山にかけて湟を巡らしたもので、地元では神代の牧の跡だとする俗説が生れていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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