湯田川(読み)ゆたがわ

改訂新版 世界大百科事典 「湯田川」の意味・わかりやすい解説

湯田川[温泉] (ゆたがわ)

山形県北西部,鶴岡市中部にある温泉。含ボウ硝セッコウ泉,41~45℃。庄内平野の南西端,摩耶山地北縁の谷間に位置し,三方丘陵に囲まれる。開湯は和銅年間(708-715)と伝えられ,〈庄内田川の湯〉と呼ばれた。江戸時代は庄内藩主酒井氏の湯治場となり,出羽三山行者の逗留地でもあった。その後も湯野浜,温海あつみ)とともに庄内三楽湯の一つといわれ,鶴岡の奥座敷として親しまれてきたが,明治末期の乱掘や昭和初期の新源泉の掘削によって湧出量が急減したため,以後は新源泉から全旅館に分湯している。温泉熱利用の歴史も古く,江戸末期以来湯砂利利用の豆もやし栽培が行われていたが,近年は水稲発芽や庄内柿の渋抜きが行われている。近くには庄内平野を眺望できる金峰山がある。羽越本線鶴岡駅からバスで約30分。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android