改訂新版 世界大百科事典 「満州重工業開発株式会社」の意味・わかりやすい解説
満州重工業開発株式会社 (まんしゅうじゅうこうぎょうかいはつかぶしきかいしゃ)
〈満州産業開発五ヵ年計画〉の遂行機関として設立された〈満州国〉法人の国策会社。略称満業。その前身は新興財閥日産コンツェルンの本社日本産業株式会社(日産)である。〈満州産業開発五ヵ年計画〉を立案した〈満州国〉政府・関東軍はその遂行機関として日産コンツェルンに満州進出を要請,その本社日本産業を1937年満州重工業開発に改組改称させる。以後,満業は〈満州国〉政府および南満州鉄道(満鉄)所有の特殊会社株式を肩代りする一方,満州の資源・産業開発にあたり,41年ごろまでに満州に31社,日本に63社,その合計払込資本金総額22億6400万円の当時最大のコンツェルンを形成した。だが,戦局の悪化の中で,外資導入に失敗し,また関東軍との関係もうまくいかず,42年にはしだいに支配権を手放した。戦後,閉鎖機関の指定を受け,清算された。
執筆者:宇田川 勝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報