朝日日本歴史人物事典 「源道済」の解説
源道済
生年:生年不詳
平安中期の漢詩人,歌人。光孝天皇から出た賜姓源氏で公忠の曾孫,方国の子。文章生から長徳4(998)年宮内少丞となり,蔵人,式部大丞などを経て,長和4(1015)年筑前守兼大宰少弐となったが,任地で没した。和漢兼作の人で詩人としては大江以言に師事し,『本朝文粋』『本朝麗藻』などに作品がある。歌人としては中古三十六歌仙のひとりに数えられ,『道済集』,歌学書『道済十体』があり,『拾遺集』以下の勅撰集に55首入集。和漢の才を生かして漢詩文の素材を取り込んだ和歌も詠んでいる。『江談抄』に,人に「船路君」や「大法会の師子(獅子)」などのあだ名を付けたというエピソードがある。
(後藤昭雄)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報