準ふ(読み)ナゾラウ

デジタル大辞泉 「準ふ」の意味・読み・例文・類語

なぞら・う〔なぞらふ〕【準ふ/准ふ/擬ふ】

[動ハ四]なずらう」に同じ。
「見ぬ人に形見がてらは折らざりき身に―・へるいろにかさねば」〈片仮名本後撰・春中〉
[動ハ下二]なぞらえる」の文語形

なずら・う〔なずらふ〕【準ふ/准ふ/擬ふ】

[動ハ四]類する。準ずる。
「女御子たち二所、この御腹におはしませど、―・ひ給ふべきだにぞなかりける」〈桐壺
[動ハ下二]なずらえる」の文語形。

なぞ・う〔なぞふ〕【準ふ/准ふ/擬ふ】

[動ハ下二]《古くは「なそふ」とも》見立てる。くらべる。なぞらえる。
うるはしみ我が思ふ君はなでしこが花に―・へて見れど飽かぬかも」〈・四四五一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「準ふ」の意味・読み・例文・類語

なぞ・うなぞふ【準・准・擬】

  1. 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 ( 古くは「なそう」 ) =なぞらえる(準)
    1. [初出の実例]「吾が屋外(やど)に蒔きし(なでしこ)いつしかも花に咲きなむ名蘇経(なソへ)つつ見む」(出典万葉集(8C後)八・一四四八)

準ふの補助注記

上代では二拍目はナソフと清音であるが、平安時代以後は濁音化した。しかしこれとほぼ同義のナゾラフが一般的に用いられ、「ナゾフ」は、まれである。


なずら・うなずらふ【準・准・擬】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙 準ずる。類する。肩を並べる。なぞらう。
    1. [初出の実例]「見ぬ人の形見がてらは折らざりき身になずらへる花にしあらねば〈伊勢〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)春中・五二)
    2. 「まことに弾(ひ)きうることは難(かた)きにやあらん、ただ今はこの内の大臣(おとど)になずらふ人無しかし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)常夏)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙なずらえる(準)

なぞら・うなぞらふ【準・准・擬】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙なずらう(準)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「見ぬ人に形見かてらは折らさりき身になぞらへるいろにかさねは〈伊勢〉」(出典:片仮名本後撰(951‐953頃)春中)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙なぞらえる(準)

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