滝谷不動明王寺(読み)たきだにふどうみようおうじ

日本歴史地名大系 「滝谷不動明王寺」の解説

滝谷不動明王寺
たきだにふどうみようおうじ

[現在地名]富田林市彼方

真言宗智山派、山号滝谷山、本尊不動明王。寺伝によると弘仁二年(八一一)弘法大師開基。もと現在地南方のだけ山にあり、南北朝時代に楠木正成が嶽山に築城した頃には当寺へ参詣し本尊を崇敬したという(「滝谷山不動明王略縁起」寺蔵)。正平一五年(一三六〇)足利義詮の兵火にあい灰燼に帰したが、本尊と矜羯羅童子・制多迦童子像は災いを逃れ渓谷に埋もれていた。そこへ盲目の僧が来て本尊の霊験を説き、仮堂を建立して三像を安置供養したと伝える。これを衆人は弘法大師の化身と口伝し、以後本尊は眼病平癒の霊像として世に知られた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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