瀕死の白鳥(読み)ひんしのはくちょう(その他表記)Umirayushtshi lebedy; La Mort du Cygne

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「瀕死の白鳥」の意味・わかりやすい解説

瀕死の白鳥
ひんしのはくちょう
Umirayushtshi lebedy; La Mort du Cygne

音楽カミーユ・サン=サーンス組曲動物謝肉祭』より),振り付けミハイル・フォーキンによる 1幕のバレエ。1905年マリインスキー劇場(→マリインスキー劇場バレエ団)からの依頼で,貴族会館でアンナ・パブロワが踊るためにつくられた小品で,約 2分ほどの独舞。静かな湖面で死んでゆく白鳥の姿に託して,死を運命づけられた生あるものの永遠の闘いを,パ・ド・ブーレの床を滑るようなステップによって描く。初演以来,パブロワの代表作として世界各地の舞台で踊られ,彼女の名を不滅のものにした。またフォーキンは,この作品を「新しいロシア・バレエの象徴」ととらえ,「舞踊が単に人の目を楽しませるものでなく,魂にまで語りかける舞踊詩となった例証」と語ったように,振付術の点からも,バレエ史上重要な位置を占める。その後アリシア・マルコワ,ガリーナ・S.ウラノワ,マヤ・M.プリセツカヤらによっても演じられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「瀕死の白鳥」の解説

瀕死の白鳥

ロシア出身の舞踊家・振付家ミハイル・フォーキンによるバレエ(1905)。原題《La mort du cygne》。初演のソリストをアンナ・パブロワが務めた。音楽はカミーユ・サン・サーンスの『動物の謝肉祭』から。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android