ウラノワ

百科事典マイペディア 「ウラノワ」の意味・わかりやすい解説

ウラノワ

ロシア(ソ連)の女性舞踊家。舞踊家の両親のもとにペテルブルグに生まれ,その地の舞踊学校でワガノワらに学ぶ。1928年に卒業,直ちに国立オペラ・バレエ劇場(現マリインスキー劇場)バレエ団員となる。その高度にみがかれたテクニックと優雅さで,パブロワ亡きあと世界のバレエ界を代表するバレリーナとなる。1944年以来,モスクワボリショイ劇場バレエ団に移籍,1962年引退後は同団の舞踊教師として後進の指導に当たった。主演作品は《ジゼル》《白鳥の湖》《バフチサライの泉》《ロミオ(ロメオ)とジュリエット》《石の花》など。→ムラビンスキー

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改訂新版 世界大百科事典 「ウラノワ」の意味・わかりやすい解説

ウラノワ
Galina Sergeevna Ulanova
生没年:1910-98

ロシアの舞踊家。舞踊家の両親のもとに生まれ,1928年レニングラード舞踊学校卒業,国立オペラ・バレエ劇場(現在のマリインスキー劇場)専属となり,次々と古典と新作に主演。とくに《白鳥の湖》の主役は彼女によってはじめて完璧な形象化に成功し,人々の魂を揺り動かす真の芸術のみがなし得る奇跡をなしとげたと評された。44年ボリショイ劇場に移籍し,九つの作品に主演したが,代表作は《ジゼル》と《ロミオとジュリエット》であろう。そこには清冽(せいれつ)な抒情から狂乱悲劇にいたるまで彼女の芸術の特質がもっともよく表れている。彼女の踊り演技は完全に一体をなし,いかなる瞬間をとらえてみても,つねに彫塑的な美しさをたもち,しかもそれが人間心理の推移を伝達する舞踊の言葉となっている。パブロワに次ぐ世紀舞姫とうたわれたが,60年舞台を退き,その後はボリショイ劇場の教師として後進の指導にあたった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウラノワ」の意味・わかりやすい解説

ウラノワ
Ulanova, Galina Sergeyevna

[生]1910.1.8. /1.10. ロシア,ペテルブルグ
[没]1998.3.21. ロシア,モスクワ
ロシアのバレリーナ。バレエ舞台監督の父,バレエ教師の母のもとで幼少よりバレエを学ぶ。 1928年レニングラード・バレエ学校卒業と同時に『ショピニアーナ』でデビュー。『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『ジゼル』『ロミオとジュリエット』などを踊り,44年キーロフ劇場からモスクワのボリショイ劇場に移り『シンデレラ』を踊った。 51年フィレンツェ音楽祭に招かれ,その後,東ドイツ (1954) ,ロンドン (56) ,パリ (58) で活躍し,国際的な名声を得た。 62年引退後は,ボリショイ・バレエ学校,同バレエ団で後進を指導。 51年ソ連人民芸術家。また数回にわたってスターリン賞,レーニン賞を受賞。著書に『バレリーナの道』 The Making of a Ballerina (59) がある。

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