火山地形(読み)かざんちけい(英語表記)volcanic landform

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「火山地形」の意味・わかりやすい解説

火山地形
かざんちけい
volcanic landform

火山活動によって生じた地形。地下のマグマ地表噴出して形成されるが,明治新山のようにマグマが地表に現れず,地面が盛上がったにすぎないもの,火山ガスだけの噴出で生じた凹地 (→マール ) も含まれる。その形態はさまざまであるが,噴出物に含まれる揮発性物質の量,マグマの温度,二酸化ケイ素含有量,噴出量,基盤の地形などによって決る。海洋地域では,主として玄武岩質で流動性の大きい溶岩が流出して,楯状火山をつくる。安定大陸地域では,大規模な玄武岩質溶岩台地と,小さな岩滓丘が形成されることが多い。新期造山地域では安山岩質,石英安山岩質溶岩,火砕岩が噴出し,円錐火山カルデラを伴う大規模な火砕流台地が形成される。これらの主火山体の一部に,溶岩円頂丘砕屑丘などができることがある。

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知恵蔵 「火山地形」の解説

火山地形

マグマの噴出の結果形成される多様な地形。マグマが流れやすいと、溶岩流が傾斜のゆるい地面を繰り返し流下し、デカン高原のような溶岩台地やハワイ島の火山のような楯状火山を造る。スコリア(黒っぽい玄武岩質のもの)などのテフラ(火山砕屑〈さいせつ〉物)だけが累積すると、円錐状の噴石丘(砕屑丘)ができる。富士山のような成層火山は、溶岩流とテフラが交互に累積して形成。マグマが流れにくいと、溶岩はつりがね状に固まって溶岩ドーム(溶岩円頂丘)を造ったり、地下にとどまったまま地面を押し上げて潜在ドーム(潜在円頂丘)を造ったりする。単発的な爆発は、穴状の火口だけをマールとして残す。

(井田喜明 東京大学名誉教授 / 2007年)

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