点睛(読み)てんせい

精選版 日本国語大辞典 「点睛」の意味・読み・例文・類語

てん‐せい【点睛】

〘名〙 (「睛」はひとみ。中国の張僧繇(ちょうそうよう)が、龍を描き、最後にひとみを描き入れると龍が天に飛び去ったという「歴代名画記‐七」の故事から) 動物を描いて、最後にその目にひとみを描き入れて絵を完成させること。転じて、欠くことのできない重要な点を最後に加えて、物事を完成すること。→画龍点睛(がりょうてんせい)
幻影の盾(1905)〈夏目漱石〉「若し〈略〉角窓の裏に一人物を画き足したなら死龍は忽ち活きて天に騰るのである。点睛に比すべきものは何人であろう」

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デジタル大辞泉 「点睛」の意味・読み・例文・類語

てん‐せい【点×睛】

《「睛」はひとみの意》瞳を描き入れること。また、最後に付け加える最も重要な点のたとえ。→画竜がりょう点睛

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普及版 字通 「点睛」の読み・字形・画数・意味

【点睛】てんせい

眼睛を加える。画をしあげる。〔歴代名画記、七〕(張僧)金陵安樂寺の四白、眼睛を點ぜず。之れを點ぜんことをふ。須臾(しゅゆ)にして雷電壁を破り、二雲に乘じ、去して天に上る。二の未だ眼を點ぜざるは、見(現)在(げんざい)す。

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