(読み)てん(英語表記)point

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


てん
point

幾何学における基本的な概念。まず平面上にあって平行でない異なった2直線の「交わり」は点である。その性質としては,相異なる2点はただ1つの直線を決定し,1つの直線上にない3点はただ1つの平面を決定する。ユークリッドは『原本』のなかで,「点とは部分のないものである」と定義したが,この定義には,彼の意図とは別に,感覚的要素が密接に結びつけられている。これでは現代数学のために種々の難点が生じる。それでまったく純粋に抽象的なものとして点を規定するため,D.ヒルベルトは,点を無定義用語として,「われわれは,3種類のものの集りを考える。第1の集りに属するものを点と名づけ,A,B,Cをもって表わす」というように表現した。点は,同様に無定義用語である「横たわる」「間」「合同」「平行」「連続」など関係を表わす言葉を用い,公理によってその性質が規定される。現在では一般に,抽象空間の元を点と呼ぶことが多い。

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デジタル大辞泉の解説

ちょ‐ぼ【点】

樗蒲(ちょぼ)の采(さい)の目の打ち方に似ているところからいう》
しるしとして打つ点。ぽち。ほし。「を打つ」
(ふつう「チョボ」と書く)歌舞伎で、地の文義太夫節で語ること。また、その義太夫節、およびその太夫ちょぼ語り。床本(ゆかほん)の語る部分に傍点を打ったところからの名称という。

てん【点】

[名]
ペンの先などで軽く突いて記したような小さなしるし。また、そのように見えるもの。ぽち。ちょぼ。「難読漢字のわきにを打つ」「飛行機がとなって消える」
読点(とうてん)。文章の句点を「丸」というのに対していう。「、」で表す。
漢字の字画のうち、1に似た形のもの。「犬」の「、」など。
位置だけあって大きさのない図形。二つの線が交わる部分。「二を通る直線」

㋐物事の成果、成績などに対する評価。また、それを数値で表したもの。評点。点数。「が辛い」
㋑競技の得点。「が入る」
特に注目すべき箇所。ところ。「人間と他の動物との違うは何だろう」「そのぬかりはない」「悪いは直す」
非難される点。欠点。非。→点を打つ
漢文訓読のために字のわきに付けた傍訓や符号の総称。返り点・ヲコト点の類。訓点。
和歌・連歌・俳諧などで、批評・添削(てんさく)すること。また、その評価を表すしるし。
10 灸点(きゅうてん)。「をおろす」
11 一昼夜を12等分した刻をさらに細分した単位。「辰の三
12 航海・航空で用いる角度の単位。1点は円周360度を32等分した11.25度。
[接尾]助数詞。
評点・得点を数えるのに用いる。「一〇〇満点」「五差」
物品の数をかぞえるのに用いる。「展覧会に三出品する」

てん【点〔點〕】[漢字項目]

[音]テン(呉)(漢) [訓]ともす とぼす たてる
学習漢字]2年
小さなしるし。ぽち。「点画点線圏点黒点斑点(はんてん)傍点
文字や文章につける符号。「訓点濁点句読点
特定の位置や個所。「観点起点疑点拠点欠点時点弱点終点重点焦点争点地点頂点難点美点沸点盲点要点利点論点
評価。また、その値。「高点採点次点同点得点評点満点
しるしなどをつける。ちょっとした動作をして入れる。さす。「点火点眼点景点茶点灯画竜点睛(がりょうてんせい)
一つ一つ改め調べてみる。「点検点呼
[難読]点前(てまえ・たてまえ)

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世界大百科事典 第2版の解説

てん【点 point】

幾何学における点は,直線や平面とともに(古典的な)幾何学を構成する基本概念であって,ふつう点とは位置のみがあって大きさのないものと説明されている。ユークリッドの《ストイケイア》も,その冒頭の定義の第1に〈点は部分をもたないもの〉,第3に〈線の端は点〉と述べ,また公準の第1に〈任意の2点は直線で結べる〉ことを要請して幾何学を展開している。ユークリッドは上述のように点を定義するが,これは数学的な定義とはいえず,ただ点の暗示的記述にすぎない。

てん【点 point】

航海や航空に関して用いられる角度の単位で,記号はpt。航海などで用いられるコンパスには,円周を32等分した点をつけることが13世紀の中ごろより始まったといわれる。つまり,1pt=(2π/32)rad=(π/16)rad=(360/32)゜=11.25゜である。【大井 みさほ】

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大辞林 第三版の解説

ちょぼ【点】

〔「ちょぼ(樗蒲)」の賽さいの目の打ち方に似ることからという〕
しるしに打つ点。ぽち。
歌舞伎の義太夫狂言や丸本物で、地の部分を義太夫節で語ること。また、それを語る太夫。太夫が本の自分の語る箇所に傍点をふったことから付いた名称。床浄瑠璃。

てん【点】

[0] ( 名 )
筆やペンの先をちょっとつけて記したようなごく小さなしるし。 「遠くの人が-のように見える」
〘数〙 数学では幾何学の対象の一。を抽象化したもの。幾何学基礎論では、直線などとともに、無定義用語として、公理によって規定される。
書き物などに付ける小さいしるし。
文の句切りの符号。普通「、」を使う。読点。
注意を喚起するために語句の横に打つしるし。傍点。
漢文を訓読するため、字に付す記号。返り点・乎古止をこと点など。
漢字の字画の一。「犬」「凡」などの「ヽ」。古くは、漢字の字画全般をいった。
きゆうで、つぼの位置に墨で付したしるし。 「 -をおろす」
評価を表す符号・数値など。
和歌・連歌・俳諧などで、評価を示す符号。「○」「ヽ」など。また、批評・添削。
答案などにつける評価の数値や符号。 「 -が辛い」
スポーツ・ゲームなどの得点。 「 -を取る」
高く評価すること。 「おいらは-だぞ/黄表紙・孔子縞于時藍染」
特に取り上げるべきところ。 「その-については心配しなくてよい」
漏刻ろうこくの時数。また、時刻。 「御発句は寅とらの一-/浄瑠璃・百日曽我」
( 接尾 )
助数詞。数を表す漢語に付く。
試合・勝負事、試験の答案などの得点・評点を数えるのに用いる。 「一-先取した」 「百-の答案」
品物の数を数えるのに用いる。 「三-セット」 「この五-を入賞とします」
[句項目] 点付く 点を打つ 点を掛く

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


てん

図形を構成する究極の要素が点である。点そのものを定義することはできないが、二つの直線の共有点、あるいは、異なる2点が一つの直線を定める、などというように他の図形との相互関係によって点が規定される。「点には位置だけがあって大きさはない」、あるいは、「点が集まって線となる」など、一見矛盾した言い表し方もあるが、平面幾何を公理的に構成するときには、点と直線と平面とは、いわゆる無定義述語であり、それらの相互関係が公理として述べられる。現実のいろいろな形を理想化して三角形や四角形などの図形を考えるが、このとき、異なる2点を結ぶ線分とか、三つの点を線分で結んだ三角形というふうに考えたりする。平面や空間の全体にわたって点を考えるときの点の位置は、座標を定め、実数の組によって表される。[柴田敏男]

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図書館情報学用語辞典の解説

図書・逐次刊行物などの数を表すのに用いる語で,書名・誌名・紙名などのタイトルを単位として数える場合に用いる.形態的単位としての冊とは,通常は一致しない.例えば図書館で所蔵する雑誌の数を表す場合,製本雑誌という形態的単位としての冊数によって数える方法と,タイトルの異なる雑誌の点数によって数える方法とがあり,前者が物理的な数量を表しているのに対し,後者は所蔵する雑誌の多様性・種類の多さを示している.

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精選版 日本国語大辞典の解説

ちょ‐ぼ【点】

〘名〙 (「ちょぼ(樗蒲)」の采の目の打ち方に似ているところからという)
しるしに打つ点。ぼち。ほし。
※和訓栞後編(1887)「児輩の手習に点を加ふる事をちょぼうつといふも、采のめよりいひならはせる也」
② (浄瑠璃太夫の語る部分に、しるしの点を打ったところから) 歌舞伎で、地の文を義太夫節で語ること、および、その義太夫節。また、それを語る太夫。ちょぼがたり。
滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)上「桜川に杣人、塞翁子町の甚幸に活邑(うへむら)の幣辞、といふ舞台で豊広がチョボぢゃア結構茶番だ」
③ 「ちょぼゆか(点床)」の略。

てん【点】

[1] 〘名〙
① 大きさがなく位置だけをもつ図形。二直線が交わる部分。
② 一つの集合を通常の空間になぞらえて空間と呼んだときのその要素。
③ 書きものなどに記す小さなしるし。
(イ) 円形の印。ぽち。
(ロ) 読点、傍点などに用いる印。「
※福州温州台州求得経律論疏記外書等目録(854)「楞伽阿跋多羅宝四巻〈科点〉、〈略〉肇論一巻〈点〉」
※筆まかせ(1884‐92)〈正岡子規〉一「文の味がぬける故、箇様な処は点を打つか間隙をおくかして」
(ハ) 漢字の字画の(ロ)のような一画。また、古くは、一般に漢字の画をさしていった。
※源氏(1001‐14頃)帚木「手を書きたるにも、深き事はなくて、ここかしこのてんなかに走り書き」
④ 斑点。
※尋常小学読本(1887)〈文部省〉五「蒼色にて黒き点ある卵、四個を入れ置きたり」
⑤ 漢文を訓読する時、その読み順を示すために、字の傍につけるしるし。かえり点。漢文訓読に用いる傍訓やヲコト点などをも含む。「点をさす」
※宇津保(970‐999頃)蔵開中「大将、文のてん直すとてある筆を春宮とらせ給て」
⑥ 文詞の添削。和歌・連歌・俳諧の各首各句に、評者が評価を示すために加える、かぎ印や「º」印「ゝ」印などの記号。また、その評価。→合点(がってん)点を打つ点を掛ける
※隣女集(1295)一「已上百八十六首墨者中書大王御点、朱者戸部尚書点也」
※浮世草子・西鶴名残の友(1699)一「発句より点(テン)かけ出して、長点なしに九十三点かけられし」 〔後漢書‐文苑伝・禰衡〕
⑦ (⑥から転じて) 物事を評価・批評すること。また、高く評価すること。
※洒落本・遊婦里会談(1780)「ぐっと新しい所をはなしねへ。向ふでわっちが点をしやう」
⑧ 評価としての点数。お点。
※破戒(1906)〈島崎藤村〉二一「朱で点を付けたのもあり、優とか佳とかしたのもあった」
⑨ 欠点。きず。非難。→点付かる点を打つ
※洒落本・売花新駅(1777)閨中并にきぬぎぬ「客をまはすとやら何とやら、〈略〉とんとよし原などにはねへ点(テン)だの」
⑩ 一昼夜を一二等分した刻(こく)をさらに分けたもの。特に、不定時法で日没から夜明けまでをさらに五等分したものの一つをいう。
※参天台五台山記(1072‐73)一「八日。天晴。辰一点潮満」
⑪ さし示す事柄。箇所。
※金(1926)〈宮嶋資夫〉二二「あの保阪にすらもその点(テン)では及ばない」
⑫ 灸(きゅう)を据える所に墨でつける点。または、灸をおろすこと。灸点。
※俳諧・毛吹草(1638)三「肩ぬく 灸の点(テン)
⑬ 「てんちゃ(点茶)」の略。
※随筆・胆大小心録(1808)一四〇「点は濃淡の手練にありて、其妙にいたるべし」
⑭ 令制下、正丁男子を兵士や衛士に指定すること。
⑮ (「一点」の略) ただ一つの点。また、ほんの少しのこと。
※江戸繁昌記(1832‐36)四「僕、生来、点、未だ屈を受けず」
[2] 〘接尾〙
① 点数を数えるのに用いる。
② 品物の数を数えるのに用いる。
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五「品物を何点盗んで行ったから」

てん・じる【点】

〘他ザ上一〙 (サ変動詞「てんずる(点)」の上一段化したもの) =てんずる(点)
※水の葬列(1967)〈吉村昭〉二「カンテラの炎で導火線に火を点じると」

てん‐・ず【点】

〘他サ変〙 ⇒てんずる(点)

てん‐・ずる【点】

〘他サ変〙 てん・ず 〘他サ変〙
① 点を打つ。また、点を打ったようにつらねる。
※和漢朗詠(1018頃)下「風白浪を翻す花千片 雁青天に点ず字一行〈白居易〉」
② 訓点、句読点などをつける。読みやすくするため訓点などを打つ。
※御堂関白記‐寛弘元年(1004)八月二日「所読華句文十巻点了」
※今鏡(1170)九「法華経の心釈き顕はせる書も、てんじしたためて」
③ 批点をつける。
④ 書き入れる。えがく。つける。さす。
咄本・鹿の子餠(1772)唐様「ヲット合点じゃと筆をてんし、百の字の横の一画書かかると」
⑤ 多くの中からしるしをつけて指定する。また、人や物や場所・日時などをえらびさだめる。
※続日本紀‐和銅六年(713)五月丁亥「始令山背国点乳牛戸五十戸
⑥ くわしく調べる。点検する。
※続日本紀‐慶雲三年(706)九月丙辰「遣使七道、始定田租法、町十五束、及点
⑦ けずる。はぶく。悪いものを取り除く。
※宇治拾遺(1221頃)三「国司むつかりて、〈略〉しらん所共てんぜよなどいふ時に」
⑧ あかりをつける。ともす。火をつける。点火する。
※咄本・軽口駒佐羅衛(1776)四「手燭に火をてんじ、椽づたひに雪隠へ伴はれける」
⑨ したたらす。しずくなどをたらす。
※正法眼蔵(1231‐53)洗浄「右手をもて滴水を点じて、触手をあらふ」
⑩ 茶をたてる。
※酒茶論(1576)「潙山摘茶知体用、香厳点茶原好夢

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世界大百科事典内のの言及

【主題】より

…20世紀においては,新しい技法の開拓や音楽観の変化に伴って,主題概念そのものが再検討を迫られている。なお,フーガなどの模倣対位法楽曲の主題をサブジェクトsubject(ポイントpointともいう)という。【土田 英三郎】。…

【点】より

…航海や航空に関して用いられる角度の単位で,記号はpt。航海などで用いられるコンパスには,円周を32等分した点をつけることが13世紀の中ごろより始まったといわれる。つまり,1pt=(2π/32)rad=(π/16)rad=(360/32)゜=11.25゜である。【大井 みさほ】…

【岬】より

…海に突出した陸地の先端部。成因としては,山稜が沈水した場合や,硬い岩石からなるため波の浸食に抗して形成される場合が多い。また砂の堆積で突出する砂嘴(さし)の岬もある。瀬戸内海の岬の多くは沈水山稜タイプであり,太平洋に突出する犬吠埼(いぬぼうさき),伊良湖岬(いらごみさき)などは硬岩タイプである。また北海道の野付崎(のつけざき),神戸の和田岬などは砂嘴タイプである。岬を示す用語としては,岬,崎,埼,碕のほかに角,鼻などがある。…

※「点」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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