烏峠稲荷神社(読み)からすとうげいなりじんじや

日本歴史地名大系 「烏峠稲荷神社」の解説

烏峠稲荷神社
からすとうげいなりじんじや

[現在地名]泉崎村泉崎 烏峠

烏峠の山頂にある。祭神は倉稲魂命。本殿は流破風造で桃山風の彫刻が施してある。伝承によれば弘仁一一年(八二〇)藤原俊仁が勅命を奉じて下野国篠井しのい(現宇都宮市か)の凶徒蔵安・蔵宗征討のため下向したが、敗れてこの山に拠り賊軍に包囲された。このとき西方から飛来した烏が金の幣帛を落し、白狐がその幣帛をくわえて山上の小さなほこらに消えた。俊仁はあの烏こそわが氏神大和国烏ヶ嶺勝手稲荷大神の使いであるとして、小祠に烏ヶ嶺大神を祀り凶賊降伏を祈願し奮闘して大いに賊を破り、蔵安・蔵宗の二人を斬り都に凱旋した。その後俊仁は再びこの地を訪れ立派な社殿を造営し、この山を烏嶺と名付けたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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