泉崎村(読み)いずみざきむら

日本歴史地名大系 「泉崎村」の解説

泉崎村
いずみざきむら

[現在地名]泉崎村泉崎

北側を奥州道中が通り、その宿駅である太田川おおたがわ村が北西部に、踏瀬ふませ村が北部に隣接し、南西部は北平山きたひらやま村。集落の北から東に泉川が流れ、西側は山で三方に水田が開ける。村内を通る道はせき街道といい、上りは隣村本沼もとぬま(現白河市)、下りは奥州道中中畑なかはた新田村(現矢吹町)に出る。建武二年(一三三五)一〇月五日の某下文案(有造館本結城古文書写)によれば、「白河庄内泉崎郷地頭代職」が和知次郎重秀に宛行われている。和知氏は結城宗広の重臣である。元亀二年(一五七一)一一月四日の白川義親書状(奥州文書)によれば、「泉崎之内ニ秦小一郎恩之内田地仁穀蒔」を弓矢で奉公した見返りとして一代限り上遠野藤兵衛尉に預けている。

天正一八年(一五九〇)から会津領、寛永四年(一六二七)以降白河藩領。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録では高九七七石余。慶安三年(一六五〇)検地が行われ、高一千八二八石余となる(「泉崎村地詰帳」中目家文書)


泉崎村
いずんざちむら

[現在地名]那覇市泉崎いずみざき一―二丁目・旭町あさひまち

那覇の東部に位置。那覇四町の一。東と北は真和志まーじ間切古波蔵くふあんぐわ村、西は久茂地くむじ村を挟み久米村くにんだひがし村、南は国場こくば川に面する。「喜安日記」に那覇・若狭わかさ町と並んで和泉崎とみえる。琉球国高究帳には真和間切那覇町のうちとして泉崎町とあり、畠二〇石余。浮免の地で、二〇石余の公租は町の公費に充てられた。なお「遺老説伝」によると古くは宗部村と称したが、泉崎橋辺りで安室親方なる者が酒造業をなし、その酒が泉酒とよばれたことに由来するという。一七世紀中頃、陶工の村であった湧田わくた村を編入。泉崎村は久米村孔子こうし廟前から久茂地くもじ川に架かる泉崎橋を渡り、そこから南へ延びる泉崎大路に沿って屋敷が広がっていた。大路の東側を湧田、西側を泉崎と称した。村内には日秀の建立した湧田地蔵堂がある(琉球国旧記)


泉崎村
いずみざきむら

[現在地名]いわき市平泉崎たいらいずみざき

赤沼あかぬま川流域にあり、東は原高野はらごや村、南は下神谷しもかべや村、西は下片寄しもかたよせ村。磐城郡に属した。近世の領主の変遷は磐城平藩領から延享四年(一七四七)幕府領、寛延二年(一七四九)常陸笠間藩領、安永六年(一七七七)幕府領、翌七年磐城平藩預、寛政二年(一七九〇)以降笠間藩領。文禄四年(一五九五)の四郡検地高目録では高七四三石余。慶長一三年(一六〇八)の岩城領分定納帳(内藤家文書)では高九四九石余。


泉崎村
いずみざきむら

面積:三五・四一平方キロ

西白河郡のほぼ中央部に位置し、南から西にかけて白河市、北から東にかけて矢吹やぶき町、東は中島なかじま村、南部はひがし村、北西部は大信たいしん村に接する。村全体の地形は起伏があり、標高約三一〇メートルの高原で、村の中央部を阿武隈川支流のいずみ川が東流し、泉川流域と村の南側を東流する阿武隈川に接する関和久せきわぐ地区は水田地帯である。明治二二年(一八八九)の町村制施行により関平せきひら村・川崎かわさき村が成立。昭和二九年(一九五四)川崎村・関平村が合併して泉崎村が成立。


泉崎村
いずみざきむら

[現在地名]小山市泉崎・城東じようとう一―三丁目・同六丁目

土塔どとう村の北西に位置し、東は犬塚いぬづか村。西の日光街道小山宿より下総結城に至る脇往還が通る。慶長八年(一六〇三)多賀谷重経の旧臣野口豊前が書上げた戦功覚書写(常総遺文所収文書)に小山泉崎とみえる。慶安郷帳に村名が記され、田方三五石余・畑方八〇石余。寛永一〇年(一六三三)下総古河藩領、延宝三年(一六七五)幕府領、天和二年(一六八二)再び古河藩領、貞享二年(一六八五)幕府領、元禄一五年(一七〇二)旗本木村領。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「泉崎村」の意味・わかりやすい解説

泉崎〔村〕
いずみざき

福島県南東部,白河市に隣接する村。 1954年川崎,関平の2村が合体して成立。阿武隈川と泉川が南北を流れ,その流域を中心に地味の豊かな谷底平野広がり,米,野菜などを産する。古代の遺跡が多く,特に泉崎横穴は史跡に指定されている。国道4号線,JR東北本線,東北自動車道が通り,東京市場向けの農業経営が行われている。面積 35.43km2。人口 6213(2020)。

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