日本歴史地名大系 「烏帽子形八幡神社」の解説
烏帽子形八幡神社
えぼしがたはちまんじんじや
烏帽子形山の東斜面中腹に位置する。現祭神は素盞嗚命・足仲彦命・神功皇后・応神天皇。旧村社。烏帽子形山にあった烏帽子形城の鎮護として創建祭祀されたと伝える。昭和四〇年(一九六五)から翌年にかけての保存修理工事の際棟札および棟束の墨書が見つかり、本殿の建立が文明一二年(一四八〇)であることが判明した(国指定重要文化財)。元禄五年(一六九二)の河州烏帽子形八幡宮覚(社蔵)によると、当地の領主で、中世烏帽子形城の城主であった甲斐庄(橘)氏の子孫旗本甲斐庄喜右衛門正保が、元和三年(一六一七)四天王寺(現天王寺区)の塔の御普請奉行を勤めたが、工事後自分の居館の鎮守たる当社がはなはだ荒廃しているのを嘆き、塔普請の余材で修造し、同八年八月上棟したという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報