無隠元晦(読み)むいん・げんかい

朝日日本歴史人物事典 「無隠元晦」の解説

無隠元晦

没年延文3/正平13.10.17(1358.11.18)
生年:生年不詳
南北朝の臨済宗幻住派の僧。豊前(福岡県)の人。出家ののち,復庵宗己らと共に延慶年間(1308~11)に入元し,天目山の中峰明本に参じてその法を嗣ぐ。中峰が幻住庵に住したことから,その派下を「幻住派」と呼ぶ。嘉暦1(1326)年来日する清拙正澄に従って,古先印元らと共に帰国し,建仁寺(京都)に住した清拙の接化を助ける。その後,大友直庵の招きで筑紫(福岡県)顕孝寺へ入る。次いで博多聖福寺に移り,また円覚寺,建長寺(いずれも鎌倉),建仁寺,南禅寺(京都)に歴住する。壱岐(長崎県)海印寺(安国寺)1世となり,晩年は豊前に帰り,福智寺で示寂した。法雲普済禅師と諡される。

(中尾良信)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「無隠元晦」の解説

無隠元晦 むいん-げんかい

?-1358 鎌倉-南北朝時代の僧。
臨済(りんざい)宗。元(げん)(中国)にわたり,中峰明本(みょうほん)の法をつぐ。16年をへて嘉暦(かりゃく)元年(1326)帰国。大友氏泰にまねかれて筑前(ちくぜん)(福岡県)顕孝寺,聖福寺にはいり,のち京都建仁寺,南禅寺の住持となった。延文3=正平(しょうへい)13年10月17日死去。豊前(ぶぜん)田川郡(福岡県)出身。諡号(しごう)は法雲普済禅師。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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