朝日日本歴史人物事典 「無隠元晦」の解説
無隠元晦
生年:生年不詳
南北朝の臨済宗幻住派の僧。豊前(福岡県)の人。出家ののち,復庵宗己らと共に延慶年間(1308~11)に入元し,天目山の中峰明本に参じてその法を嗣ぐ。中峰が幻住庵に住したことから,その派下を「幻住派」と呼ぶ。嘉暦1(1326)年来日する清拙正澄に従って,古先印元らと共に帰国し,建仁寺(京都)に住した清拙の接化を助ける。その後,大友直庵の招きで筑紫(福岡県)顕孝寺へ入る。次いで博多聖福寺に移り,また円覚寺,建長寺(いずれも鎌倉),建仁寺,南禅寺(京都)に歴住する。壱岐(長崎県)海印寺(安国寺)1世となり,晩年は豊前に帰り,福智寺で示寂した。法雲普済禅師と諡される。
(中尾良信)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報