日本大百科全書(ニッポニカ) 「焼肉料理」の意味・わかりやすい解説
焼肉料理
やきにくりょうり
獣肉をあぶり、または炒(いた)め焼きにした料理。広くはステーキ類、ジンギスカン料理(烤羊肉(カオヤンロウ))、トルコのシシケバブなども含まれるが、日本では、いわゆる朝鮮焼肉料理をさすことが多い。
朝鮮語ではプルコギで、ノビアニともよぶ。日本では在日朝鮮人の食生活のなかから普及したもので、第二次世界大戦後、とくに1955年(昭和30)ごろから外食産業として急激に広まり始め、やがて家庭料理としても定着してきた。元来朝鮮ではウシの正肉(しょうにく)や内臓が材料になっているが、日本では豚肉も好まれる。適当な大きさの生肉(なまにく)を、しょうゆをベースにトウガラシ、ニンニク、ネギ、ごま油、果物、甘味料などをあわせてつくった薬味のたれで、よくもみ込んで直火(じかび)で焼き、たれをつけて食べる。塩味で食べることも多い。カルビ(あばら肉)など焼肉料理の名称には朝鮮語由来のものが多い。2004年(平成16)現在、日本全国の焼肉料理店の数は2万0997店(総務省統計局「サービス業基本調査」)である。
[鄭 大 聲]
『宮塚利雄著『日本焼肉物語』(1999・太田出版)』▽『鄭大聲著『焼肉は好きですか?』(2001・新潮選書)』▽『鄭大聲著『よくわかる焼肉・韓国料理の歴史――焼肉店の人気メニューはいかにして生まれたか?』(2003・旭屋出版)』▽『鄭大聲著『焼肉・キムチと日本人』(PHP新書)』