煮貝(読み)ニガイ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

煮貝
にがい

山梨県の郷土料理。海から遠い山国の甲州地方では、江戸時代から明治初年にかけては、海の魚類をなまのまま食べることはできなかった。それで沼津辺のトコブシをしょうゆ煮にして運んでいたが、のちにアワビにかわり、さらにサザエも用いた。交通が便利になってからは甲府その他の地方で煮るようになったが、独特の煮方で美味なので山梨名物となった。薄切りにして酒の肴(さかな)や飯の菜に好適であるし、これを主材にして野菜などを配し、いろいろな料理をつくる。[多田鉄之助]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

に‐がい ‥がひ【煮貝】

〘名〙 アワビ・トコブシなどの貝を醤油で煮しめたもの。
※松屋会記‐久好茶会記・元和四年(1618)四月一三日「大かまほこ、にかい、かうの物」

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世界大百科事典内の煮貝の言及

【郷土料理】より

…(3)材料は他地方産であるが,その材料を用いて独特の料理に仕立てあげたもの。京都の芋棒,甲州の煮貝(にがい)などがこれである。(4)古く外国や他地方の影響をうけて成立し,その地方の伝統的な料理となったもの。…

※「煮貝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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