熊十力(読み)ゆうじゅうりき(その他表記)Xióng Shí lì

改訂新版 世界大百科事典 「熊十力」の意味・わかりやすい解説

熊十力 (ゆうじゅうりき)
Xióng Shí lì
生没年:1885-1968

現代中国の思想家。湖北省黄岡県の人。字は子貞,十力の号で知られ,晩年は漆園老人と号す。青年時代には革命運動に参加したが,1917年兄弟の窮死を境に,南京の支那内学院で欧陽竟无につき仏教を学ぶ。22年,北京大学に招かれて唯識論を講じて,その名を知られ,易の哲学を基礎に宋明理学と仏教の唯識論を融合した新唯識論を唱えた。新中国ではきびしい批判を受けた。《新唯識論》(1932),《十力語要》(1935),《原儒》(1956)などの著書がある。
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百科事典マイペディア 「熊十力」の意味・わかりやすい解説

熊十力【ゆうじゅうりき】

中国の哲学者,思想家。湖北省黄岡の出身。青年時代に武昌蜂起に参加。20年,南京支那内学院に入学,仏教を学ぶ。北京大学で教えたのち,四川福性書院で抗日戦期を過ごし,以後は上海で暮らした。中華人民共和国成立後,特別招待者として中国人民協商会議に招かれ全国委員を歴任した。仏教学の深い造詣をもとに孔子儒教の再解釈を提唱,儒家思想の新たな発展と中国の近現代に対する影響と役割を検討して中国の近代化のための理論的な拠り所をつくろうとした。新儒家の代表的思想家ともされる。主著の《原儒》は現代の新儒家思想の先駆として高く評価されている。

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