化学辞典 第2版 「熱電子捕獲」の解説
熱電子捕獲(付着)
ネツデンシホカクフチャク
thermal electron capture(attachment)
媒質中の分子の熱運動と平衡にある電子を(熱中性子と対応させて)熱電子といい,常温でその平均エネルギーは0.025 eV である.気相中の測定において使用される加熱したフィラメントから放出される電子のエネルギーは0.2 eV にも達するが,これも含めて eV 単位で0に近い電子を分子が捕獲する過程を熱電子捕獲という.熱電子捕獲により解離する分子にN2Oや有機ハロゲン化物などがあるが,多くは非解離共鳴電子捕獲である.熱電子捕獲する分子は,放射線化学の研究において電子捕そく剤として使用される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報