片寄り(読み)かたより

精選版 日本国語大辞典 「片寄り」の意味・読み・例文・類語

かた‐より【片寄・偏】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中央部分やある標準位置からはずれて一方に寄ること。あるものに近づき寄ること、また、その度合。古く「に」を伴って、ただ一方によって、ひたすら、の意で副詞的に用いられた。
    1. [初出の実例]「明日の宵照らさむ月夜は片因(かたより)今夜に寄りて夜長からなむ」(出典万葉集(8C後)七・一〇七二)
  3. 他に力を貸すこと。助力
    1. [初出の実例]「農夫等がかたよりにつかはるるをゆいとなづく、如何」(出典:名語記(1275)六)
  4. 考えや態度処置などが不均衡、または不公平なこと。
    1. [初出の実例]「かたよりがしてはかなうまいぞ」(出典:両足院本山谷抄(1500頃)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android