牛王宝印・牛玉宝印(読み)ごおうほういん

精選版 日本国語大辞典 「牛王宝印・牛玉宝印」の意味・読み・例文・類語

ごおう‐ほういん ゴワウ‥【牛王宝印・牛玉宝印】

〘名〙 熊野神社手向山八幡宮、京都八坂神社、高野山東大寺、東寺、法隆寺など諸社寺で出す厄難除けの護符。「牛王宝印(牛玉宝印)」または、頒布の所の名を上に冠して「…宝印」としるしてある。図柄はきまっていないが、七五羽のカラスを図案化した熊野牛王は有名。その裏は誓紙や、起請文を書くのに用いた。牛王宝命。牛王。
吾妻鏡‐元暦二年(1185)五月二四日「以諸神諸社牛玉宝印之裏、全不野心之旨、奉驚日本国中大少神祇冥道、雖進数通起請文
[補注]「牛王」の語源については、霊薬の「牛黄」にちなむ、「生土(うぶすな)」からきた仏の異称である等々の諸説があるが、定かでない。また、「牛王宝印」とも書くが、中世用例の多くが「牛玉宝印」である。

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