手向山八幡宮(読み)たむけやまはちまんぐう

精選版 日本国語大辞典 「手向山八幡宮」の意味・読み・例文・類語

たむけやま‐はちまんぐう【手向山八幡宮】

  1. たむけやまじんじゃ(手向山神社)」の別称。

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日本歴史地名大系 「手向山八幡宮」の解説

手向山八幡宮
たむけやまはちまんぐう

[現在地名]奈良市雑司町小字手向山

手向山を背にしてその西麓にあり、手向山神社東大寺八幡宮などとよばれる。東大寺の鎮守社であったが、明治維新の神仏分離によって独立した。旧県社。祭神は中殿に応神天皇(品陀和気命)、右に仲哀天皇(足仲彦命)と神功皇后(息長帯姫命)、左に比売ひめ大神を祀る。境内社は若宮わかみや神社(大鷦鷯命)若殿わかとの神社(菟道稚郎子)高良こうら神社(大伴健将)・住吉神社(底筒男神・中筒男神・表筒男神)など計一五社がある。

〈大和・紀伊寺院神社大事典〉

〔勧請・沿革〕

東大寺大仏の鋳造は、宇佐八幡神の神助を得て天平勝宝元年(七四九)一〇月に完成した。そこで宇佐八幡神を東大寺大仏の守護神として勧請することになった。「続日本紀」同年一二月二七日条によれば、同月一八日に五位一〇人・散位二〇人・六衛府舎人各二〇人を遣わして八幡神を平群へぐり郡に迎えさせ、二七日京に入り、宮南の梨原なしはら宮に新殿を造って神宮としたとあり、また天皇・太上天皇・皇太后も行幸したことがわかる。さらに翌二年二月には、一品八幡大神に「封八百戸位田八十町、二品比売神に封六百戸位田六十町」を奉り、厚く遇した。その後東大寺は事あるごとにその神助を仰ぎ、東大寺一山の守護神として深く崇敬された。当社はもと中門前南東のかがみ池の東にあったが、それ以前の位置には諸説がある。

治承四年(一一八〇)一二月、平重衡の南都焼討の際、八幡宮も焼失した(「玉葉」同五年正月六日条)。嘉禎三年(一二三七)一〇月に千手院せんじゆいん(現奈良市)に移されて行の勧進によって再建され、南廊・北廊などのほか、若宮社の拝殿や東廊も新造された(「東大寺別当次第」など)。元和八年(一六二二)には大名細川忠興が米三〇〇石を寄進、八幡宮拝殿の修造が行われ、大鳥居も寄進された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「手向山八幡宮」の解説

手向山(たむけやま)八幡宮

奈良県奈良市、紅葉の名所として知られる手向山の山麓にある神社。東大寺の大仏建立時に守護神として豊前国(現在の大分県)から宇佐八幡神を勧進したのが起源。明治時代の神仏分離の際に東大寺から独立。手向山神社ともいう。

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