牛頸峠(読み)うしくびとうげ

日本歴史地名大系 「牛頸峠」の解説

牛頸峠
うしくびとうげ

現辰野町大字小野の飯沼おののいいぬまの谷の西方にあり、標高一〇七二メートル。太平洋水系と日本海水系の分水嶺で、西に下れば現木曾郡楢川ならかわ村の村境を経て桜沢さくらさわに至る。牛首とも書き、主人を失って荒牛となった牛の首を葬ったところから名付けられたという。

この峠道の開発は慶長六年(一六〇一)幕府の勘定奉行大久保長安の政策により、下諏訪しもすわ宿(現諏訪郡下諏訪町)より塩尻しおじり峠を越えて塩尻宿(現塩尻市)から木曾谷を通る中山道の近道として、下諏訪宿より岡谷おかや(現岡谷市)を過ぎ三沢みさわ峠を越えて小野宿に出て、飯沼の谷を西に牛頸峠を経て桜沢から贄川にえかわ宿(現木曾郡楢川村)に達する新街道を開削したものである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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