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特急誘拐 とっきゅうゆうかい

知恵蔵の解説

特急誘拐

路上・車上で一般市民や観光客を拘束し、現金・カード・携帯電話・車両などを奪う強盗。短時間で犯行を終えることから「特急誘拐」(Express Kidnapping)の名がついた。「電撃誘拐」「稲妻誘拐」「短時間誘拐」などとも呼ばれる。メキシコ、ブラジル、ベネズエラ、エクアドル、ペルーなど中南米諸国の都市部で頻発している。
犯行グループは数人。停車中の乗用車やタクシーに乗り込み、銃器で被害者を脅し、キャッシュカードの暗証番号を聞き出したり、ATM(現金自動預入支払機)から現金を引き出させたりした後、郊外で解放するというケースが多い。巨額の身代金や政治的要求などを目的とする誘拐とは区別される。また、アジトに拉致することもなく、密室の車上で短時間のうちに行われるため、犯人の検挙率は低く、多くの組織が同じ手口を繰り返しているとみられる。また、白タク(非正規タクシー)の運転手と犯行グループが連絡をとり合っていたという事例も報告されている。
2013年12月には、エクアドル南西部の都市グアヤキルで、新婚旅行中の日本人夫妻が特急誘拐で死傷するという事件が起こっている。現地時間の午後10時半頃、タクシーで宿泊先のホテルに戻る途中、乗り込んできた誘拐グループに連行され、夫が銃で撃たれて死亡、妻も重傷を負った。エクアドル政府は事件の情報提供に懸賞金10万ドル(後に20万ドルに増額)をかけ、容疑者10人を拘束したが、犯人の特定には至っていない(14年2月26日時点)。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2014年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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