狂草(読み)キョウソウ

デジタル大辞泉 「狂草」の意味・読み・例文・類語

きょう‐そう〔キヤウサウ〕【狂草】

極端にくずした草書。唐の張旭ちょうきょく懐素かいそや、明末の王鐸おうたく傅山ふざんが著名。

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精選版 日本国語大辞典 「狂草」の意味・読み・例文・類語

きょう‐そうキャウサウ【狂草】

  1. 〘 名詞 〙 思うままにくずして書いた書。草書体をさらにくずした書体
    1. [初出の実例]「たとへ書の狂草、画の写意とても」(出典:随筆・玉洲画趣(1790))
    2. [その他の文献]〔五雑俎‐人部三〕

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普及版 字通 「狂草」の読み・字形・画数・意味

【狂草】きようそう(きやうさう)

草書の一体。その最も自由な運筆のもの。〔五雑組、七〕作字の結體勢は、原(もと)以て態を取る。~其の氣生動し、密宜しきを得るをす。~今の狂を學ぶ、須(すべか)らく疎中に細り、疎中に密るをるべし。

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世界大百科事典(旧版)内の狂草の言及

【書】より

書論 しかし,唐も8世紀の半ば近く,開元・天宝のころになると,従来の貴族社会が行きづまり,王羲之以来の伝統的な書法もしだいに形骸化していった。これに代わって起こったのが狂草であり,張旭,懐素らがその初期の開拓者である。彼らは揮毫する前に大酒を飲んで気分を誘発し,屛風や牆壁(しようへき)など広い空間に向かって,一気呵成,縦横無尽に奔放な草書を書き放った。…

【張旭】より

…呉郡(江蘇省)の人。長安で李白,賀知章,顔真卿らと交わり,酒に酔ったうえで非常に変化に富んだ草書(狂草と呼ぶ)を書いた(これを称して〈張顚〉という)というから,玄宗の開元・天宝時代(713‐755)に活躍したことが知られる。一方また,彼は《郎官石記》にみられるような,非常に端正な楷書作品も残している。…

※「狂草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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