出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
生没年不詳。中国、唐代の玄宗朝(8世紀前半)の書家。字(あざな)は伯高。呉郡(江蘇(こうそ)省)の人。左率府長史の官についたので張長史とよばれる。陸柬之(りくかんし)の子の陸彦遠(げんえん)から「柬之の書法」を授けられ、名妓(めいぎ)公孫大娘(こうそんたいじょう)が2本の長い布を空中に舞わせる踊りを見て、草書の何たるかを悟ったといわれる。また酒を好み、酔えば狂ったようになって下筆し、髪に墨をつけて書いたので、世に張顛(ちょうてん)と称された。当時、草書の第一人者として高名で、自由奔放な「狂草」を創始したとされる。顔真卿(がんしんけい)や李陽冰(りようひょう)に筆法を授け、懐素や高閑に影響を与えたと伝えられる。楷書(かいしょ)の作品に『郎官石記(ろうかんせきき)』があり、草書の作品として『自言帖(じげんじょう)』『古詩四帖』などが知られている。
[筒井茂徳]
『『書跡名品叢刊168 古詩四帖』(1971・二玄社)』▽『中田勇次郎編『書道芸術5 張旭他』(1972・中央公論社)』
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