デジタル大辞泉
「狂」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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くるいくるひ【狂】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「くるう(狂)」の連用形の名詞化 )
- ① 精神、考え、動作などが正常でなくなること。また、正常とは思えない考えや動作をすること。
- [初出の実例]「有間皇子、性(ひととなり)黠(さとり)て、陽(うほい)狂(クルヒ)すと」(出典:日本書紀(720)斉明三年九月(北野本訓))
- ② ( 狂ったように動く意から ) たわむれること。たわむれ。遊び。
- [初出の実例]「四月八日、御鷹野へ御出(おんいで)、古池田東の野にて御狂(クルイ)これあり」(出典:信長公記(1598)一二)
- ③ 物事が正常、通常の状態や予定、見込みなどと違うようになること。
- (イ) 状態、調子などが正常でなくなること。正確でなくなること。
- [初出の実例]「コノ ハシラ ハ kurui(クルイ)ガ デタ」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
- (ロ) 予定、見込み、あてなどがはずれること。
- [初出の実例]「以上如レ此雖二相定一、欲まきれ又種々可レ在レ之。子息達大勢在レ之。何も詮に不レ立レ之、くるい可二出来一歟」(出典:多聞院日記‐天正一〇年(1582)七月七日)
- ④ 能で、ものに憑かれたように激しく舞い、苦しみや悲しみを表現すること。また、その舞。
- [初出の実例]「これ体なる修羅のくるひ、ややもすれば、鬼の振舞になる也」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)二)
- [ 2 ] 〘 接尾語 〙 ( 多く「ぐるい」の形で ) 名詞について、そのことに夢中になり、狂ったような状態になるさまを表わす。
- [初出の実例]「幽王褒姒と云美人ぐるいに政をたやいてせられぬ天がにくんで日月の吉凶もみだれたぞ」(出典:玉塵抄(1563)一二)
きょうキャウ【狂】
- 〘 名詞 〙
- ① くるうこと。気がちがうこと。常軌を逸すること。また、その人。
- [初出の実例]「これも狂もよく念へば聖といへり」(出典:大観本謡曲・賀茂物狂(室町末))
- 「我輩夙にここに見あり、狂(キャウ)と呼び痴と喚ぶ。敢て管せず」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉六)
- [その他の文献]〔書経‐多方〕
- ② 志が大きくて、細事をかえりみないこと。〔論語‐子路〕
- ③ 「きょうげん(狂言)」の略。
- [初出の実例]「初日。〈四日〉相生〈狂。三の丸長者〉八嶋〈さるひき〉」(出典:糺河原勧進猿楽日記(1464))
- ④ ( 名詞のあとに付けて ) 一事にひどく熱中すること。また、その人。マニア。「野球狂」「映画狂」など。
- [初出の実例]「サイン狂の一生徒が間崎にみせた署名帳には」(出典:若い人(1933‐37)〈石坂洋次郎〉上)
くるお
しくるほし【狂】
くるわ
しくるはし【狂】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「狂」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の狂の言及
【精神病】より
…精神の異常ないし病的状態は人類の歴史とともに古い。古代ギリシア・ローマの時代にはすでに,〈神聖病〉と呼ばれた癲癇(てんかん),黒胆汁の過剰によると説明されたメランコリア,狂乱状態を示すマニア,子宮(ヒュステラ)が体内で動き回る婦人病としてのヒステリーなどが知られていた。これらが〈精神病〉という総称のもとに体系化されるのは,精神医学がやっと自立の活動をみせる19世紀になってからで,〈精神病Psychose〉の語も1845年にウィーン大学のフォイヒタースレーベンE.von Feuchterslebenがその著《心の医学の教科書》で初めて使ったとされる。…
※「狂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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