写意(読み)シャイ(その他表記)xie-yi

デジタル大辞泉 「写意」の意味・読み・例文・類語

しゃ‐い【写意】

東洋画で、外形を写すことを主とせず、画家精神または対象本質を表現すること。→形似けいじ

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精選版 日本国語大辞典 「写意」の意味・読み・例文・類語

しゃ‐い【写意】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 意味内容を書き取ること。
  3. 絵画などで、形を写すことを主にしないで、被写体の持つ内容、精神など内に秘められた美を描写すること。
    1. [初出の実例]「たとへ書の狂草、画の写意とても、一筆の利刀を以て銅版に刻みたる墨痕紙上に出申候」(出典:随筆・玉洲画趣(1790))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「写意」の意味・わかりやすい解説

写意
しゃい
xie-yi

東洋画の用語事物を描写するだけでなく,対象から誘発されたものや,絵に託そうとする画家の心意を描写すること。このような絵を写意画という。中国,宋の文人書画詩文にすぐれた蘇軾 (そしょく) の「画を論ずるに形似をもってするは,見 (けん) 児童と隣る」という言葉に代表されるように,東洋画では文様近代の写実主義的絵画のほかはすべて写意画とみられ,画面に表出する気韻,品格など精神的内容を重んじる伝統があった。

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普及版 字通 「写意」の読み・字形・画数・意味

【写意】しやい

心を写す。

字通「写」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の写意の言及

【写生】より

…東洋絵画における用語として対象をそのままに写しとることをいい,細密な描写の花鳥画について多くいわれる。写生は画家の主観表現を意味する〈写意〉に対する言葉ではあるが,対象の〈生命〉を写すことは,画家自身の生気と無関係ではなく,単なる客観的な写実主義とは一線を画し,作品そのものも西欧の静物画とはかなり異質な性格をもつ。【戸田 禎佑】。…

※「写意」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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