狐越街道
きつねごえかいどう
村山盆地と置賜盆地とを白鷹丘陵を越えて結ぶ街道。白鷹山越で山形から荒砥(現西置賜郡白鷹町)に至る道筋は、江戸時代には狐越道・中越道・簗沢通の三筋があったが、明治二〇年(一八八七)狐越道の新道が開削されて狐越街道とよばれ、主要道となった。その後現行の狐越街道が主要道となるが、この道は狐越は通っていない。
明治五年の狐越道付近略図(安達家蔵)によれば、狐越道は山形城下上町を起点とし、沼木村から門伝村枝郷荻窪・礫石に至り、そこから荒沼・米沼・苔沼などの南を通り、白鷹山の北の狐越峠を越えて中山村(現白鷹町)に入り、萩野村(現同上)を経て荒砥へ至っている。途中沼木村から門伝村と柏倉村を経る道もある。これに対し、門伝村荻窪から村木沢村枝郷上平に出て畑谷村(現東村山郡山辺町)を経て中山村に至るのが中越道、飯塚村から若木村・深沢村を経て簗沢村(現山辺町)に入り、畑谷村を経て中山村に至るのが簗沢通であったとみられる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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