独善(読み)ドクゼン

デジタル大辞泉 「独善」の意味・読み・例文・類語

どく‐ぜん【独善】

《「孟子」尽心上から》
他人に関与せず、自分の身だけを正しく修めること。
自分だけが正しいと考えること。ひとりよがり。「独善に陥る」「独善的」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「独善」の意味・読み・例文・類語

どく‐ぜん【独善】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「孟子‐尽心上」の「窮則独善其身、達則兼善天下」による語 )
  2. 他人には関与しないで、自分の身だけを正しく修めること。
    1. [初出の実例]「原夫公渉清虚、契帰於独善」(出典経国集(827)二〇・下毛野虫麻呂対策文)
  3. 客観性がなく自分だけが正しいと考えること。ひとりよがり。
    1. [初出の実例]「今私が此鉢に水を掛けるやうに、物に手を出せば彌次馬と云ふ。手を引き込めてをれば、独善と云ふ」(出典:サフラン(1914)〈森鴎外〉)
    2. [その他の文献]〔尹文字‐大道上〕

ひとり‐よがり【独善】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 自分ひとりだけでよいと思いこんで、他人の言うことを聞こうとしないこと。また、そのさま。どくぜん。
    1. [初出の実例]「ハンケチで咽喉を緊め、鬱陶敷を耐へて眼鏡を掛け、独よがりの人笑はせ」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)

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