先生(読み)センセイ

デジタル大辞泉 「先生」の意味・読み・例文・類語

せん‐せい【先生】

4原義
学問や技術・芸能を教える人。特に、学校の教師。また、自分が教えを受けている人。師。師匠。「国語先生」「ピアノ先生
教師・師匠・医師・議員など学識のある人や指導的立場にある人を敬っていう語。呼びかけるときなどに代名詞的に、また人名に付けて敬称としても用いる。「先生がたにお集まりいただく」「先生、お元気ですか」「鈴木先生
親しみやからかいの意を含めて他人をよぶこと。
ははあ―今日はうちに居るな」〈漱石・彼岸過迄〉
自分より先に生まれた人。年長者
「年の賀も祝はれず、―にはあるまじきことなり」〈鶉衣・戯八亀〉
[補説]作品名別項。→せんせい
[類語](1師匠指南役師範宗匠師父(学校の)教師教員教諭教授教官講師名誉教授・客員教授・助教授准教授助教助手コーチティーチャープロフェッサーチューターインストラクター(尊敬)尊師恩師旧師先師/(3彼氏彼女此奴こやつこいつ其奴そやつそいつ彼奴かやつきゃつあいつやつやっこさん大将この方この人その方その人あの方彼方あちらあの人

せん‐じょう〔‐ジヤウ〕【先生】

師。せんせい。
荊軻けいか又田光―といふつはものを語らふ」〈平家・五〉
東宮坊とうぐうぼう帯刀たちはき舎人とねりの長。
三郎―義憲、左衛門尉頼賢」〈保元・上〉
ぜんしょう(前生)」に同じ。
「―の事を知りたく覚えて大師に祈念する」〈沙石集・二〉

せんせい[曲名]

歌謡曲。歌手、森昌子のデビュー曲。昭和47年(1972)発表。阿久悠作詞、遠藤実作曲。第14回日本レコード大賞新人賞、第3回日本歌謡大賞放送音楽新人賞受賞。

シーサン【先生】

《〈中国語〉》中国で、一般に男子を呼ぶときの敬称。上海方言の発音による。

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精選版 日本国語大辞典 「先生」の意味・読み・例文・類語

せん‐せい【先生】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 先に生まれた人。年長者。
    1. [初出の実例]「ゆゑにいささか先生の徳失をのこし。おのづから後生の宦学をすすめむ事」(出典:六代勝事記(1223‐24頃))
    2. [その他の文献]〔爾雅‐釈親〕
  3. 学芸に長じた人。学者。
    1. [初出の実例]「先生幸許禁闈遊、更恐時光不暫留」(出典:菅家文草(900頃)一・寄巨先生乞画図)
    2. 「今の詩歌者流相共に先生と称し、大人と称す」(出典:随筆・燕石雑志(1811)二)
  4. 医師など、その道の専門家、指導的立場の者などを敬っていう語。
    1. [初出の実例]「受持医(センセイ)がお帰りになったさうですから」(出典:魔風恋風(1903)〈小杉天外〉意外)
  5. 師として教える人。現代では、特に、教育にたずさわる人、学校教員をいう。また、自分が指導を受けている、あるいは受けた師。教師。師匠。
    1. [初出の実例]「先生古より師匠の号とす」(出典:譬喩尽(1786)八)
    2. 「お医者さまにも成らず、先生にもならず、又御出家にもならず」(出典:続々鳩翁道話(1838)一)
  6. からかうような気持で、他人をあなどっていう語。やっこさん。大将。
    1. [初出の実例]「戻駕を語る所が。先生(センセイ)よめねへときてゐるから」(出典:滑稽本浮世床(1813‐23)初)
  7. ( 代名詞的に、接尾語として ) 相手とする師や、教員、医師、議員などを尊敬して呼ぶ語。かなり高い敬意を有するが、江戸時代には、狂歌師、幇間、しっかい屋などの通人、もしくは遊里関係にも用いられた。時にのように、からかい気分で用いることがある。
    1. [初出の実例]「浅之進進(すすみ)出て申しけるは、『謹んで先生の教を受(うく)』」(出典:談義本・風流志道軒伝(1763)一)
    2. 「先生と呼んで灰ふき捨させる」(出典:雑俳・柳多留‐初(1765))

せん‐じょう‥ジャウ【先生】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「ぜんしょう」「ぜんじょう」とも )
  2. 師。せんせい。
    1. [初出の実例]「自ら周孔(しうこう)の教を南淵(みなふちの)先生(セムシャウ)の所に学(まな)ぶ」(出典:日本書紀(720)皇極三年正月(岩崎本室町時代訓))
  3. 春宮坊の帯刀(たちはき)の長官。
    1. [初出の実例]「源氏木曾冠者義仲主者、帯刀先生義賢二男也」(出典:吾妻鏡‐治承四年(1180)九月七日)
  4. ぜんしょう(前生)
    1. [初出の実例]「憍慢経に云はく先生に位の上の人、尺迦牟尼仏の頂を履に佩きて踟む人等の罪云々といへり」(出典:日本霊異記(810‐824)中)

シー‐サン【先生】

  1. 〘 名詞 〙 ( 中国語の「先生」の上海方言の発音による語 ) 中国語で、男子一般に対する敬称。さん。…先生。また、他人への呼びかけに用いる。
    1. [初出の実例]「若主人の葉氏は、そこの戸口から入ると、『シイサン(先生)』と呼んだ」(出典:帰郷(1948)〈大仏次郎〉無名氏)

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普及版 字通 「先生」の読み・字形・画数・意味

【先生】せんせい

年長者。父兄。また、教師。〔礼記、曲礼上〕先生に侍坐するとき、先生問へば、りて則ち對(こた)ふ。業(学業)をふときは則ち(た)ち、(再び問う)をふときは則ちつ。

字通「先」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の先生の言及

【教師】より

…人間とくに子ども,青年を指導し,その発達を助け促す人。類似の語に教育者,先生,師匠,師,教員などがある。学校制度発足前には教師,教育者,教員などの語はなく,学芸,武道あるいは歌舞音曲などを教授する人は師匠と呼ばれていた。…

※「先生」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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