(読み)ドク

デジタル大辞泉 「独」の意味・読み・例文・類語

どく【独〔獨〕】[漢字項目]

[音]ドク(呉) [訓]ひとり
学習漢字]5年
つれあいのない者。ひとり者。「独身孤独
ただひとり。ただ一つ。「独学独自独奏独特独白独立独眼竜慎独単独
他をかえりみず自分だけで。「独裁独占独善独断
ドイツ。「独語独文日独
難読独活うど独楽こま独乙ドイツ独逸ドイツ独鈷とっこ

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精選版 日本国語大辞典 「独」の意味・読み・例文・類語

どく【独】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ひとり。ひとりであること。〔礼記礼器
  3. みなしご。
    1. [初出の実例]「父なきものをば孤といふ母なきものを独といふなり」(出典:法華修法一百座聞書抄(1110)六月五日)
  4. 老人で子のない者。
    1. [初出の実例]「凡鰥寡孤独。貧窮老疾不自存者。〈〈略〉六十一以上而無子為独也。〈略〉〉令近親収養」(出典令義解(718)戸)
    2. [その他の文献]〔詩経‐小雅〕
  5. 「ドイツ」のあて字独逸」の略。

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普及版 字通 「独」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

(旧字)獨
16画

[字音] ドク・トク
[字訓] ひとり・ただ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は蜀(しよく)。蜀に(とく)の声がある。〔説文〕十上に「犬相ひ得て鬥(たたか)ふなり」(段注本)とし、「羊を群と爲し、犬を獨と爲す」とするが、犬も群集を性とするものである。蜀は牡獣の象形。虫の部分は性器。牝獣を尾といい、尾と蜀と相連なることを屬(属)という。牡器を縊取(いしゆ)して去勢するを(けん)、(たく)して去勢することを(たく)という。これらの字形を以ていえば、獨とは牡獣。牡獣は群を離れていることが多い。〔孟子、梁恵王下〕に「老いて子無きを獨と曰ふ」とあり、また人の孤独の意に用いる。

[訓義]
1. ひとり、一匹の獣、牡獣。
2. ひとりもの、老いて子無きもの。
3. ただ、ひたすら、もっぱら。
4. 犬がかみあう。
5. なんぞ、はた、いずれ、むしろ、あに。

[古辞書の訓]
名義抄〕獨 ヒトリ・ムカフ・ヨル・ヤモメ

[語系]
獨dok、特dkは声義近く、特も単独の意。徒da、但dan、直dikも声近く、いずれも副詞として通用する。

[熟語]
独異・独一独往・独家独臥・独懐・独覚・独鶴・独学独看・独・独眼・独雁独騎・独脚独居・独吟・独見・独言・独戸・独固・独語・独行・独坐・独子・独視・独自・独酌・独手・独秀・独宿・独処独唱・独笑・独身・独寝・独酔・独・独是・独成・独醒・独絶・独占・独擅・独専・独善・独創・独造・独存・独断・独知・独釣・独鳥・独直・独適・独店・独得・独夫・独闢・独舗・独木・独門・独夜・独侑・独遊・独謡独楽・独攬・独立・独柳・独慮・独梁独力・独輪独歩
[下接語]
寡独・介独・鰥独・危独・謹独・独・独・孤独・慎独・専独・単独・抱独・幽独・

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