狸囃子(読み)タヌキバヤシ

デジタル大辞泉 「狸囃子」の意味・読み・例文・類語

たぬき‐ばやし【××囃子】

夜中に、どこからともなく聞こえてくる祭り囃子。俗に、狸が打つ腹鼓はらつづみという。

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精選版 日本国語大辞典 「狸囃子」の意味・読み・例文・類語

たぬき‐ばやし【狸囃子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 夜中にどこからともなく聞こえてくる祭囃子。俗に、狸が馬鹿囃子(ばかばやし)をまねて打つ腹鼓という。狸の腹鼓。
    1. [初出の実例]「風の隙を潜って遙に狸囃子が聞える」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
  3. 歌舞伎の下座音楽の一つ。昔、本所辺りで馬鹿囃子稽古をしている音が風に送られて聞こえてきた時、狸の腹鼓のように響いたので、その感じをまねて考案したものという。馬鹿囃子に使う笛や摺鉦(すりがね)は使わず、太鼓桶胴で奏する。
    1. [初出の実例]「今年は向島に狸ばやしといふ事があると言て〈略〉たいそうに船ではやしを聞に行たぜ」(出典:滑稽本・八笑人(1820‐49)五)

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