馬鹿囃子(読み)バカバヤシ

デジタル大辞泉 「馬鹿囃子」の意味・読み・例文・類語

ばか‐ばやし【馬鹿×囃子】

東京およびその周辺祭礼で、山車だしなどの上で奏する祭り囃子大太鼓締め太鼓かねを用いるにぎやかな囃子で、多くおかめひょっとこなどの面をつけて踊る。屋台囃子

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精選版 日本国語大辞典 「馬鹿囃子」の意味・読み・例文・類語

ばか‐ばやし【馬鹿囃子】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代から、東京とその周辺で行なわれる祭礼で、山車などの上ではやされる囃子。大太鼓締太鼓摺鉦(すりがね)、笛などを用い、にぎやかで、活気に富む囃子。里神楽から出たとされ、おかめ、ひょっとこなどの面をつけた馬鹿踊りがつくところからの称という。馬鹿太鼓。
    1. [初出の実例]「こふぼんのきょくがじゃうずになっちゃア、ばかばやしのしほふきにもでられそうなものだ」(出典:黄表紙・敵討蚤取眼(1801)一五)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「馬鹿囃子」の意味・わかりやすい解説

馬鹿囃子
ばかばやし

江戸または江戸系の祭礼囃子の別称。江戸里神楽(かぐら)の馬鹿面(ばかめん)ともよばれる、だるま、ひょっとこ、おかめなどのモドキの道化面をかぶって踊る踊りがつくのでこうよばれるようになった。練行に伴って山車(だし)の上で演奏され踊られる。大太鼓1、締太鼓2、笛1、手平鉦(てびらがね)一の編成で、多くの曲目があるが、普通は「打込み」「屋台」「昇殿」「鎌倉」「四(し)(仕)丁目(ちょうめ)」「屋台」(切(きり))の順で演奏する。享保(きょうほう)(1716~36)の初めころ生まれた葛西(かさい)囃子をもととする。初め若囃子、和歌囃子などと称したといい、それが馬鹿囃子と転訛(てんか)したともいう。

[西角井正大]

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改訂新版 世界大百科事典 「馬鹿囃子」の意味・わかりやすい解説

馬鹿囃子 (ばかばやし)

祭りばやしの一種で,おもに東京とその周辺の祭礼で演奏される。笛,締太鼓,大太鼓,鉦(かね)で陽気に囃す。〈おかめ〉や〈ひょっとこ〉の馬鹿面(道化面)をつけてにぎやかに踊る馬鹿踊の伴奏に用いられることからの名称という。また江戸時代に江戸葛飾の神主能勢環が,現在の葛西(かさい)囃子の基になる和歌囃子を作り,それがなまってこの名称となったとも伝える。
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世界大百科事典(旧版)内の馬鹿囃子の言及

【葛西囃子】より

…東京都葛飾区に伝承されている祭囃子。別名〈若囃子〉〈和歌囃子〉〈馬鹿囃子〉。江戸川区にもこの分流が伝えられている。…

※「馬鹿囃子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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