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…金胴は蝶番の位置によって,左脇1ヵ所の二枚胴と左右2ヵ所ずつの五枚胴の別があり,さらに鉄板も縦矧や横矧,または一枚鉄とし,釘着の鋲頭も大きくして座金(ざがね)を入れたり,鋲頭を出さずにからくり留めとしたりして,それぞれ実用を考慮して技巧をこらしている。このうち横矧の二枚胴を桶胴(おけどう)といい,縦矧または一枚鉄の五枚胴は関東から東北の武士に喜ばれて雪ノ下胴とか奥州胴といわれた。一枚鉄の二枚胴は,胴の中央に蒔絵をほどこしたり,装飾を打ち出したものが多く,加藤嘉明の所用として著名な天人胴は,正面の蒔絵の天人による名称である。…
…こうした〈触れ太鼓〉は,相撲などでも用いられる。そのほか,雅楽の〈楽太鼓〉を,〈平丸太鼓〉〈平釣(ひらづり)太鼓〉とも称して用い,民俗芸能の楽器であった,枠なし長胴締太鼓の〈桶胴〉や,枠付き長胴締太鼓の〈大拍子(だいびようし)〉,さらに,鋲打ち短胴で柄の付いた〈柄太鼓(えだいこ)〉,前述の〈団扇太鼓〉などの柄付太鼓(この両者とも,日蓮宗で題目を唱えるときに用いられるが,歌舞伎でとくに〈題目太鼓〉と称するときは,〈柄太鼓〉の方をいうことが多い)なども用いるほか,さまざまな組合せや,改良・転用の結果,独自の太鼓類が数多く開発されてきた。また,寄席(よせ)の囃子は,歌舞伎の囃子を利用しているが,平丸太鼓の小型の〈豆太鼓〉のように寄席独自に開発したものもさまざまにある。…
※「桶胴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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