猫じゃらし(読み)ネコジャラシ

デジタル大辞泉 「猫じゃらし」の意味・読み・例文・類語

ねこ‐じゃらし【猫じゃらし】

エノコログサ別名 秋》
後ろで結んだ帯の両端を不均等に長く垂れ下げたもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「猫じゃらし」の意味・読み・例文・類語

ねこ‐じゃらし【猫じゃらし】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 帯の結び方の一種。帯の掛けと垂れの長さを不均等に結び垂らしたもの。揺れて猫をじゃらすように見えるところからいう。
    1. 猫じゃらし<b>①</b>〈当世風俗通〉
      猫じゃらし当世風俗通
    2. [初出の実例]「恋やみへ母の細工は猫じゃらし」(出典:雑俳・柳多留‐二(1767))
    3. 「猫(ネコ)ぢゃらしに、右の袂の下で結んでゐる」(出典虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一二)
  3. 植物えのころぐさ(狗児草)」の異名。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「猫じゃらし触れてけもののごと熱し」(出典:火の島(1939)〈中村草田男〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の猫じゃらしの言及

【アワ(粟)】より

…中国ではオオアワは粱で,コアワが粟であるが,日本ではアワ全体に粟の字を用いる。俗にネコジャラシと呼ぶ雑草のエノコログサとアワとは稔性のある雑種ができるので,エノコログサからアワが分化したと考えられている。
[原産,伝播(でんぱ)]
 エノコログサはユーラシアやアメリカ大陸北部に広く分布しているが,作物化されたのは中国を含む東アジア地域と推定されている。…

【エノコログサ】より

…道端,畑地,荒地などに普通に見られるイネ科の雑草で,関東地方ではネコジャラシという名で親しまれている(イラスト)。エノコログサは狗(え)(犬)の子草の意味で,長い毛(刺針)の生えた犬の尾状の花序に由来し,そのような花序に猫がよくじゃれるのでネコジャラシという。…

※「猫じゃらし」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」