猿女(読み)サルメ

デジタル大辞泉 「猿女」の意味・読み・例文・類語

さる‐め【猿女/×猨女】

古代神祇官に属し、大嘗祭だいじょうさい鎮魂祭などのときに、神楽の舞などの奉仕をした女官

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世界大百科事典(旧版)内の猿女の言及

【天鈿女命】より

…この神は,天孫降臨の際に一行を待ち伏せた異形の神を屈服させ,猨田彦大神(さるたひこのおおかみ)という名やその参上の由来を明らかにした。この功によりウズメの裔は猿女君(さるめのきみ)と称することになったという。猿女,猿楽の〈猿〉は〈戯(さ)る〉の意で,猿女という名も宮廷神事に滑稽なわざを演ずる俳優(わざおぎ)を意味した。…

【猿女氏】より

鎮魂祭に奉仕する,猿女と呼ばれる女性を貢進した古代氏族。天孫降臨に際し,その先導となった天鈿女命(あめのうずめのみこと)を祖と伝える。…

【稗田阿礼】より

…さらに平安朝のものとはいえ,阿礼が天鈿女(あめのうずめ)命の後裔(こうえい)であるとする資料(《弘仁私記》序)も見逃せない。アメノウズメは,天の岩屋戸神話,天孫降臨神話などでシャーマン的な能力を発揮した女神で,猿女(さるめ)氏の祖である。猿女とは古くは原始的呪的伝統をひく〈をこ〉(滑稽)なる歌舞をもって宮廷神事に仕えた巫女で,アメノウズメの話はその職掌起源譚であった。…

※「猿女」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」