たま‐とり【玉取】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① 中国の散楽(さんがく)から伝わった曲芸の一種。数個の玉を空中に投げ上げ、それを手に受けるもの。品玉(しなだま)。弄丸(ろうがん)。〔十巻本和名抄(934頃)〕
- ② くじ引きの一種。玉をつかんで、その種類によってあたりはずれをきめるもの。
- [初出の実例]「振鬮(ふりくじ)玉取の秘術御伝授の上は」(出典:談義本・教訓続下手談義(1753)五)
- ③ 謡曲「海人(あま)」に出てくる志度の浦の海女の、珠を取る姿をふまえた語。襦袢、腰巻などの姿。
- [初出の実例]「しまひ風呂下女は玉取りすがたにて」(出典:雑俳・川柳評万句合‐宝暦九(1759)礼二)
- [ 2 ]
- [ 一 ] 能楽の曲名。住吉に住む玉取長者と悪業に生まれた貧女とを登場させて、敬神と孝行とを説く。廃曲。
- [ 二 ] 蘭曲の曲名。[ 一 ]のクセの部分を独立させて謡物としたもの。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内の玉取の言及
【海人(海士)】より
…山村流は,初世山村友五郎の振付。《玉(珠)取海士》ないし《玉(珠)取》ともいう。(3)長唄およびそれによる歌舞伎所作事。…
※「玉取」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 